Five principles/ideas
ここでは非核三原則ならぬ、シン・ニホンゴ五大原則について簡単に説明します。
この5つのルール、基本は①が最も優先度が高く、だんだん①で対処できない場合は②、その次は③、と優先度が下がっていくイメージです。ではさっそく順番に紹介していきましょう。
①現行の日本語をできるだけ活かす。
まずはこれです。
日本語は例外が多いとは言うものの、実は元々ルールがきれいにまとまっているものもあります。
そこは下手にいじらず、そのまま活かす、というのが大原則の①ですね。
例えば、動詞活用のルールで「〜て」と、「〜た」というのは同じルールでできています。
「食べた」→「食べて」 「書いた」→「書いて」 「読んで」→「読んだ」など。
これは全く例外なくどの動詞・どんな活用でも100%「て」→「た」(で→だ)で説明ができます。
そもそも「〜て」自体のルールが複雑なので忘れがちですが、こういうきれいな対応は美しいですね。
②例外があるものだけ変える
日本語の例外をなくすことが目的であってその他の表現は一切いじらないようにしています。
確かに日本語では外国人学習者にとってわかりにくい表現とか、曖昧性とか、もうちょっと整理したいとは思うことはありますが、あくまでルールとしての「例外」でない限りそのまま活かす、という基準で行います。
例えば、助詞の「に」はめちゃめちゃたくさんの意味があります。
・母にケーキを作ってあげた。(相手)
・昨日は友達の家に行って、ご飯食べてきた。(場所)
・17時になったので、そろそろ帰ろう。(時)
まだまだ山のようにありますが、分類によっては10〜20ぐらいになることもあります。
確かにこれをもうちょっと近い用法ごとにまとめて、他の助詞を作っても面白いとは思いますが・・・
ただ、シン・ニホンゴではやりません。それは用法はたくさんあれど、「例外」ではないから。
ルールとして一応まとまってはいるものは特に触れずにいきます。
③現行の日本語を変えるときは、できるだけ変更が少ないパターンを新ルールとする。
①と②の合わせ技って感じですかね。
例外と言っているので、少数派のはずです。
なので多数派の方に合わせて、少数派側を変えちゃおうってことですね。
例えば日本語の超基本「五十音」です。これもほぼきれいにルール通りまとまってはいるんですが、一部おりますね。例外が。
「さしすせそ」 と 「たちつてと」
ローマ字で書くと、どうでしょうか。
「sa shi su se so」「ta chi tsu te to」
こう書く人が多いんじゃないでしょうか。
他の段を見ると、「かきくけこ」「kakikukeko」、「まみむめも」「mamimumemo」と、きれいに子音「k、s、t等」+母音「aiueo」でまとまっているのに、「し」「ち」「つ」だけ子音が変わっちゃってますね。
じゃあこれを統一すると
「sa si su se so」「ta ti tu te to」となります。
国際音声記号(IPA)というもので書くと
「sa sʲi sɯ se so」「ta tʲi tɯ te to」です。(iに小さいjみたいなのついてますが、これはどの段にもあり例外じゃないです。)
この場合「shi」とか「tsu」って発音はどうすんだとか、細かいルールはまた「ひらがな・発音」の記事にて説明しますが、ここでは、原則ルール③なるべく現行のルールを活かしつつ、少数派の例外のみを変えるという点を理解していただければいいです。
④変化・時代の流れに乗る。逆行はしない。
基本はほぼ③のルールまでで大抵まとまるんですが、それでも現行ルールの中でそもそも例外をどこまで定めるか、多数派・少数派ときれいに分かれてくれないようなものもあります。
その際の考えの拠り所として「日本語の変化」というものも一部取り入れていきます。
具体的にどういうことかというと、一番分かりやすいのが動詞ですかね。
現在の日本語の動詞、主に3つの活用パターンがあります。
1:五段活用(1グループ・u-verb)
はなさない・はなします・はなす・はなせば・はなそう
2:一段活用(上一段・下一段・2グループ・ru-verb)
たべない・たべます・たべる・たべれば・たべよう
3:変格活用(サ変・カ変・3グループ・irregular-verb)
しない・します・する・すれば・しよう
こない・きます・くる・くれば・こよう
この3つのグループ、1つにまとめたいんですが、どうやってまとめますか。
3の変格活用は実質2つしかないので例外と言っても良さそうですが、1と2は結構種類多いですよね。どっちかに統一するとなると、変えられた方は結構被害が大きくなりそうです。
そこで拠り所として考えるのが新しい日本語、いわゆる「新語」ってやつですね。
ここ数年できた新しい動詞の特徴ってなんでしょうか。
「ググる」「バズる」「タピる」「ディスる」など、全部「る」ついてますね。
これだけ見ると、2の一段活用っぽいんですが活用させてみると
ググらない・ググります・ググる・ググれば・ググろう
と完全に1の五段活用ルールとなっています。
他の動詞もやってみると、全く同じ活用になっていることが分かると思います。
つまり動詞の最先端は「ラ行五段活用」と言ってもいいでしょうか。
この場合は1の五段活用、ついでにラ行に全部合わせる、ときれいに時代の流れに乗って変えることができます。
この新語以外にも日本語の変化で「ら抜き言葉」というのもあるんですが、その変化についてはまた動詞分類の記事で詳しく説明しようと思いますのでここでは割愛。
ひとまずルールを分類しづらいときは新語の流れに乗って、新しい方に合わせる、ということも一部しております。
⑤時代の変化、必要に応じてアップデートする。
これが最後の原則です。
ある意味逃げとも取れそうな内容ですが、最近の流行り、アップデートです。
先程④で述べたように、言葉というのも常に変化をしております。
その変化と同様にこの人工的な言語「シン・ニホンゴ」も、ある時点で完成ということはなく、常に検証を重ね改良していくことが必要だと思っています。
今回このアイデアをネット上に載せようと思ったのも、この⑤を思いついてからできたというのもあります。
色々な人の目に触れて、色々な意見をもらいながら、いいものを取り入れ改良していければより面白く、いいものが作れるんじゃないかと。
なのでツッコミどころ、ご意見等は遠慮なく、どしどしお願いします。
まとめ
以上、ちょっと長くなりましたが、シン・ニホンゴ作成に当たっての五大原則・理念でした。
このルールは原則というぐらいなので、毎回意識してこれからの記事も書いていこうと思います。
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