verbs
動詞の活用ルールを1つに!
まずは結論からいきたいと思います。
シン・ニホンゴではすべての動詞を「ラ行五段活用」に一本化します。
ラ行?五段活用って何だっけ?
日本語文法の簡単なおさらいです。
動詞には色々分類方法はありますが、基本的には3種類。
五段活用と、一段(上一段・下一段)活用、変格活用。
日本語文法では、I、II、IIIグループと言ったり、u-verb、ru-verb、irregularと呼んだりもします。
五段活用というのは
「書かない」「書きます」「書く」「書けば」「書こう」
と、活用が「かきくけこ」とカ行の五段の音になっているから、カ行五段と言います。
ではラ行五段は?
「しゃべる」とか、「帰る」とか、「走る」とか、これもまあまあ数はあります。
ちょっと間違えがちなのが「一段活用動詞」の「見る」とか「食べる」とかは、ラ行五段じゃないです。
「見ない」「見ます」と、こちらは「る」が取れてしまうので「らりるれろ」活用じゃないことがわかりますね。
なので、ここでは「しゃべらない」「しゃべります」「しゃべる」と言った「ラ行五段活用」の形にすべての動詞を合わせに行こうと思います。
そもそも動詞の活用って例外なの?
まず、そもそも動詞の活用グループを「例外」と呼ぶかどうかという点からですね。
「する」「来る」の変格活用2つは英語でも「irregular」と呼ばれているぐらいなので、例外でしょう。
ただ、一段動詞はそれなりに数があるので、これを全部例外として、五段にまとめるというのは極論じゃないかと。
活用グループだけ見ていると確かにそうなんですが、実際に各活用形を作っていくとですね、グループの中でも色々と例外や不具合が出てくるものなんです。
例えば、同じ五段活用でも、
「とります」→「とらない」 「あります」→「*あらない」
とか。
「起きる」「置く」は、終止形は同じですが「ます」を付けると
「起きます」「置きます」
と、同じ形になってしまったり。
このように、細かいですが、動詞のグループがあるせいで、きれいに活用が分類できなかったり、理解しづらかったりしてしまいます。
であれば、もう1つの活用形にしてしまえば、すべてそのルールで統一できる。例外の一切ない変化動詞が作れる、という考えを試してみることにした次第です。
なんでラ行五段を選んだの?
活用形を1つに統一するのは分かった。
じゃあ、なぜ五段活用、しかもラ行なのか?
1つ目の理由は「五段」が一番日本語の動詞の数で多いからです。
実際の総数を調べていないので、間違っていたらすみませんが、これは感覚的に日本語に携わっているとわかります。
※一応教科書レベルで調べてみましたが「げんき初級I・II」の動詞数だと、u-verb(五段)が209、ru-verb(一段)が85と、2〜3倍ぐらい数が違うってことですね。
もう一つの理由、「ラ行」を選んだのは、時代の流れ・新語です。
ここ数年でできた新しい動詞を見てみると結構面白いことがわかります。
例えば、「バズる」「ググる」などカタカナ語がほとんどですが、すべて「る」が付きます。
しかも「バズらない」「ググれ!」のようにちゃんとラ行五段活用しているんですよね。
新語はすべて「ラ行五段活用」、つまりこの活用が日本語の最先端?と言ってもいいんじゃないでしょうか。
ちなみに余談にはなりますが、「食べれない」「見れない」みたいな「ら抜き言葉」というのも、一段動詞がラ行五段活用に近づいている流れともとれます。
本来「食べられない」と言わなきゃいけないところを「帰れない」「しゃべれない」みたいなラ行五段の可能形と同じように作ろうとしていますからね。
そういう意味でもすべての動詞がラ行五段になる、というのも割りとありそうな、そこまでぶっとんだ話しではなくなるんじゃないでしょうか。
シン・ニホンゴ動詞の作り方
では、実際の動詞の作り方です。
動詞の作り方
・五段活用→ラ行以外のものは元々の終止形に「る」を付ける
ラ行はそのまま
・一段活用→元々の終止形の「る」を五段活用として活用する
・変格活用→終止形「する」「くる」の「る」を五段活用として活用する
実際に例で見てみましょう。
(五)書く → 書くらない 書くります(書くって)書くる 書くれば 書くろう
走る → 走らない 走ります (走って) 走る 走れば 走ろう
(一)下りる→ 下りらない 下りります(下りって)下りる 下りれば 下りろう
決める→ 決めらない 決めります(決めって)決める 決めれば 決めろう
(変)する → すらない すります (すって) する すれば すろう
くる → くらない くります (くって) くる くれば くろう
一番多い五段に合わせたはずが、ラ行以外の五段は全部変わってしまうという大惨事に・・・。
まあ、これはこれで面白いから採用としましょう。
その他の活用形
それぞれの活用形は、個別の文法解説などの記事で別にやろうとは思いますが、ここでは軽く紹介程度に。
まずは元々背景にもあった「可能形」「受身(尊敬)形」。
ら抜きを使わず、これですべて識別できます。
可能形 受身尊敬
(五)使うる→ 使うれる 使うられる
帰る → 帰れる 帰られる
(一)着る → 着れる 着られる
浴びる→ 浴びれる 浴びられる
(変)する → すれる すられる (「できる」は別動詞として残す)
くる → くれる くられる
こんな感じで、一応「ら抜き」が正しい変化の形に生まれ変わるという変化になります。
ついでにですが、「する」も例外はなくしたいので、そのまま「すれる」を採用しましょう。
以上、動詞のまとめです。
動詞は他にも幅広いので、これ以外にも細かいルールはありますが、ひとまず大前提の活用統一化だけ、今回はまとめました。
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